五郎島金時とは

はじめに
五郎島金時は、石川県西部の日本海に広がる砂丘地(五郎島町、粟崎町、内灘町、かほく市)で栽培されている“さつまいも“です。
年間の生産量は、2300トン。全国のさつまいも収穫量と比較すると1/350と圧倒的に収穫量が少なく、希少価値の高いさつまいもを言われています。
生産者も40名程と少ないですが、若い農業後継者が多く、活気に満ち溢れています。
品種は高系14号から選抜された品種で、栗のようにほくほくした食感で繊維が少なく上品な甘さが特徴です。
形は紡錘形が多く、色は綺麗な赤紫色です。(新芋は特に色が綺麗です)
石川県のブランド野菜「加賀野菜」にも認定されており、昔から地元の皆様含め多くの方々に愛されています。

五郎島金時の歴史
1709年頃に不毛の砂丘地である五郎島村に対して、前田のお殿様から”薩摩の国に不毛の地でも栽培ができる作物がある”との教えがあり、当時の肝煎り(五郎島村大庄屋)の太郎衛門が薩摩の国(鹿児島県)に潜入し、髷(マゲ)の中にサツマイモを隠して持ち帰ったのが「五郎島金時」の始まりです。
平成35年頃に、畑地灌漑施設が整備されたことで、優れた排水性と作業性を生かし、さつまいも、スイカ、大根などが栽培され始め、石川県内有数の園芸産地になりました。

昭和59年に、名称を「さつまいも」から「五郎島金時」と命名し、平成9年には加賀野菜として認定されました。
平成11年に「五郎島金時」を商標登録し、指定農家が栽培したものだけが「五郎島金時」として出荷できます。

五郎島地区の特徴
石川県の大河である手取川と犀川。その流域は河口近くで粒が大きく、流れ出た砂は海流に乗って能登へ向かって北上しているため、能登方面へいくと自動車でも通行できるほど粒子が細かいのが特徴です。
五郎島金時の栽培畑は、その中間に近い内灘砂丘近辺で栽培されており、粒子がさつまいもに適した大きさで、水はけがよく肥料持ちがいいです。

五郎島金時農家のこだわり
五郎島金時は収量を求めず、味を重視した栽培方法のため美味しい五郎島金時ができます。
(五郎島金時は平均2.5tの生産量、他の地区では約3.5tと聞いています)
定植から収穫までの生育期間も130~150日と比較的長いことから、水分が少なく、ホクホクとした食感が特徴のさつまいもが栽培できます。
肥料には米ぬかを使用しており、毎年独自の配合で専用肥料をメーカーで生産してもらいます。

五郎島金時の生産者は、施肥基準・定植期間・収穫期間などの栽培協定を遵守することにより、食味・規格を重視した栽培が行われています。

五郎島金時の貯蔵方法
五郎島金時の出荷は、9月から翌年5月までの約9ヶ月にわたり長期間計画的な出荷が行われ、以下の3つの期間に分けられています。
1、9~12月は、各生産者の納屋で貯蔵。
2、1月~2月は、低温貯蔵庫に入れ、電熱線にて13℃以下にならないように貯蔵。
3、3月~5月は、キュアリング施設で、湿度98%・温度34℃で72時間待ちます。
顕微鏡で皮周りに5重のコルク層があることを確認した後に、湿度90%・温度14℃まで下げて貯蔵します。
手間暇かけることによって、五郎島金時生産者は高品質で安定的な出荷に努めています。

五郎島金時の分類について
一緒な五郎島金時でも、形・大きさ・重量によって30種類に分類(選別)しています。
細かく分類することによって様々なお客様のニーズに応えることができるため、ブランド価値が高い理由のひとつと言われています。

形による等級(右にいくほど良い)▼
切(きり)→外(がい)→良(りょう)→コロ(ころ)→長(なが)→○秀(まるしゅう)→秀(しゅう)

形による等級(右にいくほど大きい)▼
4S→3S→2S→S→M→L→2L→3L

分類は五郎島金時農家の長年の勘と経験によるところが大きいですが、生産者がみんなで真剣に取り組むからこそ、贈り物としても喜ばれる品質とブランドを保っています。
※かわにのオンラインショップでは、良・〇秀・秀のみ取り扱っております。

動画で見る▼

-五郎島金時の収穫風景-
五郎島金時の収穫は、お盆明けの8月中旬から11月上旬頃まで続きます。
収穫は手掘りではなく、さつまいも堀り機にて行います。

-五郎島金時のひげ(根)焼き作業-
掘りたてのお芋には、もちろん根っこが沢山ついています。
そのままで状態では流通に乗せれないため、バーナーでは細い根っこを焼き、太いものは、ひとつづつ手作業でむしります。

-五郎島金時の洗い作業-
五郎島金時の特徴のひとつが「色」の鮮やかさです。
動画は一切加工してないのですが、とっても綺麗です。

-五郎島金時の選別作業-
五郎島金時は、形・大きさ・重量によって現在30種類に分類(選別)しています。
日本一多い分類数は、お客様からのニーズに答えたいという生産者の想いから。